クロミちゃんの生みの親は誰?クロミ裁判の問題点☆

2025/02/28 (金) - 10:00 日常と生活

サンリオのキャラクター マイメロのライバル的存在のクロミ。アニメ『おねがいマイメロディ』で登場した黒いうさぎのキャラクターです。クロミはキャッチーなキャラクターで根強い人気がありキティやマイメロを抑えて人気となっているキャラクターです(ライバルと言ったが、実際はマイメロにひどい目に遭わされているキャラ)。

しかし、現在このクロミを巡りサンリオとアニメ制作会社スタジオコメットとの両者間で「クロミの生みの親は誰なのか?」と著作権、著作者人格権をめぐる争いが起きています。

クロミ誕生!

2005年にサンリオの人気キャラクター『マイメロディ』を主人公にしたアニメ『おねがいマイメロディ』が2005年に開始されました。クロミはこのアニメに初登場したキャラクターです。企画会社がサンリオの承諾を得て制作を進め、スタジオコメットがアニメ制作を受託。

サンリオからはマイメロディのデザインだけが提供され、ストーリーや追加キャラクターはアニメの制作スタッフが考案し、その過程でマイメロディのライバルとして『クロミ』が生まれました。スタジオコメット所属のアニメーターがデザインを担当しました。

クロミは徐々に人気になりサンリオはグッズ展開を本格化。サンリオキャラクター大賞2024では3位にランクインするほどの人気者になりました。

クロミの権利は誰のもの?

2023年に発売されたファンブック『クロミのヒミツ』で、サンリオはクロミのデザイナーをハローキティを手掛けた山口裕子さんだと記載。これに対しスタジオコメット側が、“クロミはうちのアニメーターが作ったもの”と反論。2024年6月に著作者人格権をめぐる裁判を起こしました。

サンリオ側は、クロミの著作権が契約上自社に帰属していると主張し、著作者人格権も適切に処理されていると発表。スタジオコメット側は、クロミのデザインやコンセプトが自社アニメーターによる創作であることを認めさせたいと主張。グッズの破棄や謝罪広告の掲載を求め現在も訴訟係属中。

実際、クロミのグッズの著作権表記も株式会社サンリオのみになっています。

著作権と著作者人格権

著作権(著作財産権)はサンリオが保持している可能性が高いですが、著作者人格権(自分が作者だと認められる権利)はスタジオコメット側にある可能性が考えられます。サンリオが別のデザイナーを「生みの親」としたことで、この権利が侵害されたとスタジオコメットは訴えています。スタジオコメットが主張する著作者人格権とサンリオの主張の食い違い、過去の契約内容が焦点です。

著作権(著作財産権)と著作人格権の違いまとめ

項目 著作権 著作人格権
保護対象 著作物の財産的価値 著作者の人格的利益
権利の内容 利用の独占 公表権、氏名表示権、同一性保持権
譲渡・相続 可能 不可能
保護期間 原則として著作者の死後70年間 著作者が死亡すると消滅。
しかし著作者死後も著作者人格権を侵害してはならない。

キャラクタービジネスへの影響

名探偵コナンの高木刑事や、ポケモンのムサシ・コジロウなどアニメオリジナルのキャラクターが人気になり公式ブランドになるケースは珍しくありません。一方で創作の貢献者が正当に評価されないと、アニメ制作やキャラクタービジネスに影響が出る可能性があります。この問題はファンにとっても企業にとっても由々しき問題です。

この争いは「クロミを誰が作ったのか」「その功績をどう認めるか」が混在した複雑なものです。判決次第ではクロミに限らずキャラクターの著作権ルールやアニメと企業の関係性にも影響します。最悪『クロミ』がマイメロブランドから消えてしまう可能性もあります。

ファンもクロミちゃんも何も悪くないのに可哀想です。誰も涙を流さない結果を望みます…。今回の件でサンリオがクリエイターを尊重しないとも受け取れるこの姿勢で、企業ブランドや信頼性失墜は避けられないと思います。

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